回転率を上げる


中小企業経営者の皆さま、おはようございます。

財務コンサルタントの北村悠です。

間も無く史上最長のGWですね!公私ともに連休の準備はいかがでしょうか?

私は、令和を直前に4月25日、事務所移転をするため断捨離作業を追いかけています♪

今回は今までの抽象論から一歩踏み込んでROA分解式にあった【回転率】をどのようにあげて行くかというお話をします。

ROA分解についてはこちらをご覧ください↓

https://wordpress.com/block-editor/post/roa-verne.com/130

回転率は、売上÷資産です。

これを上げるということは、分子の売上を上げるか、分母の資産を減らすか、です。

皆さんは売上を上げるのと、資産を減らすのと、どちらが楽にできますか??

売上を上げて利益を上げてキャッシュを増やせるという人は、どんどん向上させていきましょう!

逆に売上なんてそう簡単には上げられないよ!という人は、資産の効率を図りましょう。

ここでは、資産を減らすという方にフォーカスします。

さて、資産を減らすというのは、法人版の断捨離です。

この動画もご参考に!

断捨離というと、【自分を幸せにしないものを捨てる】イメージですが、

法人版は、

【自社のキャッシュフローに貢献しないものを売却し資産効率を高める】という事です。

キャッシュフローに貢献しない資産ということでいうと、私の経験上ありがちなのが、

 ① 担保に入っている預金

 ② 売れない棚卸資産

 ③ キャッシュフローを産まない不動産、カッコイイ車

 ④ 無駄にかけすぎた生命保険の保険積立金

 ⑤ 売り損ねた株式などの有価証券

この辺りのいわゆる【金食い虫系資産】です。

①②は即、手をつけたほうが良いでしょう。

また、③④⑤については、持っていてもなおキャッシュに余裕があるなら、もちろんこのまま経営を続けていただきたいと思います。

しかし、余裕がないのにこれらのうちどれか一つでも所有しているのであれば改善余地はありそうです。

ここからは具体的に資産を圧縮する方法をお伝えします。

その前に、資産圧縮を図る上で、資金繰りには必ず注意しながら進めてください。

もしこの辺りのことが難しければ、コンサル、FPなどと一緒に進めたほうが良いでしょう。

とお話しすると、銀行と進める方が時々いらっしゃりますが、銀行は融資を返済されると成績が下がってしまう対極側の立場なので、銀行員がいくら優秀でもパートナーにはしないほうが良いでしょう。

また、税理士はB/SよりもP/Lで税のプロフェッショナルであることから、この辺りが得意な税理士はあまり多くはいらっしゃらないようなのでよく見極めてください。

それでは進めていきましょう!

まずは①預金です。

早速ですが初めに注意点をお伝えします!

流動性預金と言われる、普通預金、当座預金は必ず切らさないように手をつけましょう。

幸い私のクライアントさまでそこに手をつけて資金が回らなくなった方はいませんが、もしそのような事があって会社を潰してしまってはそもそも無意味なので。

ということは、資金繰り外で進めていけば良いわけですね!

そこでまず一番効果があり簡単なものが、定期性預金です。

定期性預金とは、定期預金、定期積金などです。これらは過去の融資の際に担保に入れていることもあります。

定期性預金は資金繰りには関係なく、いざ使おうという時も意外と銀行は使わせてくれなかったりします。

私も銀行員時代に言いたくなかったですが、解約はできません!と言っていました。

なぜ自分たちの定期預金を使ってはいけないんだと思われると思います。

その理由は、「その定期預金があるから融資をした」というロジックです。

無茶苦茶だと思われるかもしれませんが、銀行はそう思っています。

しかし、相殺なら話は早いです。

預金と融資の両建てで取引している場合は、なるべく相殺を図って両方とも小さくしましょう!

それだけで利息負担が減り、利益率がかなり改善するケースはよくあります!

たかが利息と思われるかもしれませんが、利益は分母自体が小さいので利益増加率のインパクトはかなり大きいものです。

また、定期預金なら資金繰りも汚さず、もっとも手をつけやすい作業なので、ここから資産圧縮が加速していき、回転率の向上が達成できていきます!

ちなみに、預金担保に入れている場合はなおさらすぐに手をつけてください。

もうその預金は、完済まではあなたのお金ではないのですから。

続いて②棚卸資産!

過去に仕入れてしまった売れない商品。

売れない在庫はいつかは売れると信じていても結局売れなくなるのが現実であったりします。

棚卸資産については、キャッシュフローを生み出す可能性で区分けしましょう。

売れる可能性100%、75%、50%、25%、0%

そしてまずは0%のものから処分していきます。処分方法は業種よって異なりますが、ここで重要なことは、「早期に処分する」ということです。

逆にいうと大セールやオマケでは時間がかかり過ぎてしまいますのでオススメできません。

時間がかかるということは、ダラける、マンネリ化、気がついたら意識が遠のくということが起こりやすいため、これらの処分で儲けようということは一切捨ててください。

今までそれでやってきた結果が、今の姿なのですから。

③、⑤については、棚卸資産と同様です。

資産圧縮で経営効率を高めたいと思いついたその時が売却時です。

そして最後に④生命保険です。

こちらは第三者の保険屋さんに一斉乗り換えしてしまうのが一番良いでしょう。

担当者の顔が目に浮かぶ。

という方もいらっしゃりますが、その方が、今ある状態を引き起こした方をいつまで思い浮かべるのでしょうか。

そして企業の将来(つまりは役員、社員たちの将来)までキャッシュフローを産まない状態にしてしまっているのです。

最低限必要な保険商品で企業を守る!これが一番です。

以前、私のクライアント様で、保険契約していた社長様がランニング中に倒れて運ばれてしまいました。

保険は降りたのですが、会社でかけていたため会社に保険金が入りました。

もうお金はある程度潤沢なのに会社に入っても意味がない。

税法の関係で、社長さんに渡せるのはせいぜいお見舞金程度の金額にしかなりませんでした。

こう言ったものをいつまでも掛け続けるのは勿体無いです。

しっかりと見直ししましょう。

以上①〜⑤までで、資産を縮小してみると驚くほど回転率が上がります。

そして、手放したものは売却損は仕方ありませんが、必ず資金が生まれます。この資金を負債に充当していきましょう。

ここでいう負債が銀行借入なら、毎月の元金返済と利息が縮小します。元金返済は損益計算書外なのですが(別のブログで説明します)、利息は縮小すれば利益が増えます。

すると資金が増え、元金返済も進みます。

これがROA経営の回転率向上の法です。

かなり不安はあるかもしれません。過去に購入したものを手放すということは、自分の失敗を突きつけられる場面でもあります。

経営改善には通らざるを得ない道です。

私も個人的にですが断捨離をすると、「どうしてこんな無駄なものを買ったのだろう」と最初かなり自分責めをしました。

しかし、それを買ったことによる後悔は、次の自分の購買力に繋がっていきます。

無駄なものを最近はほとんど買わなくなりました。つまり、言葉を変えるとお金が貯まりやすくなりました。

逆にこの儀式をやらないと人は次へは進めません。

だからROA経営を進めて過去の自分たちの姿にサヨナラをしていただきたいと思います。

これをやった企業がどんどん良くなっています!

是非一緒にROA経営を進めてみましょう。

次のブログは利益のお話です。

ご閲覧ありがとうございます。

ROAを分解すると!?

中小企業経営者の皆さまおはようございます。

財務コンサルタントの北村悠です。

今回は、ROA経営を行うにあたり「ROAを分解すると」というお話をお伝えしていきます。

財務指標ROAについてのご説明は、こちらをご覧ください↓

https://wordpress.com/block-editor/post/roa-verne.com/79

ROAを分解すると、回転率と利益率の掛け算に置き換えられることが見えてきます。

ROAという指標を私がセミナーで中小企業経営者の皆さま向けに話す時には

ROA=回転率×利益率

と伝えています。

回転率というのは、式でいうと

売上÷資産 です。

この図でいうと、売上高200÷資産100=2回転

ということです。

続いて利益率。

こちらは馴染み深いという方も多くいらっしゃります。

利益というと売上ー原価の「粗利」と理解されている方が少なからずいらっしゃりますが、利益にもいくつか種類があります。

売上総利益、営業利益、経常利益、税引き前利益、当期純利益とありますが、ここでは経常利益としておきます。

経常利益とは、売上高から原価を引いた「粗利」から、さらに販売費及び一般管理費(広告費、役員報酬、従業員給与、家賃、減価償却、接待交際などのいわゆる経費)を差し引き、さらにそこに利息等を加減した数値です。

経常利益を売上高で割ったものが利益率となります。

図では、30÷200=15%ですね。

ROAはこの2つの数値を掛け合わせるので、

2回転×15%=30%となるわけです。

ROAを上げるには、回転率と利益率の両方を同時に改善していけば良いわけです。

回転率、利益率のそれぞれを向上させるにはどうすれば良いか、については長くなるのでここでは少しだけ触れる程度に留めておきます。

回転率を向上するには?

一つは分子の売上を上げる事です。そしてもう一つが資産を縮小する事です。

売上を上げるというと、簡単なことではなく、また予測ができない業種も大半でしょう。

ですが、資産の縮小は素早く取りかかる事ができます。

私が担当させていただいたクライアント様で、6億あった資産を1年半で4億5千万まで縮小できた企業があります。

さらに資産の中身についても、現預金が最初マイナスだったのが、この一年半で1億円まで増えました。

資産の整理というのはこのくらいのスピード感を持って結果に繋げられます。

続いて利益率です。

利益率を向上させるには、経費削減ということになりますが、この経費削減も削減一辺倒で行うと大変なしっぺ返しが返ってきます。。

例えば無理に人件費を減らして社員が一気に退職していったということになれば、企業の長期的な成長は望めません。

このようにならないために、少し構成を変えることで利益率を大幅に向上させる事ができます。

ROA経営ではこのように一つの指標を軸に数値目標を設定し、そのために今日からできる事(=実務レベル)まで落とし込んでいきます。

そのため成果が見えやすく、財務状態を把握しやすいという利点があります。

その第一歩がROAの細分化ということになります。

次回は、回転率の向上についてお話していきます。

ご閲覧ありがとうございました。

財務指標ROAとは

中小企業経営者のみなさま、おはようございます。

無資格財務コンサルタントの北村悠です。

今日は、「ROA経営」の「ROA」と言う部分に焦点を当てていきます。

数字を極力しようせず、図解でお伝えしていきます。

ROAとは、財務分析で扱う経営指標の一つです。

財務分析については是非こちらをお読みください↓

財務分析の必要性

財務分析にはたくさんの指標がありますが、ROAは中小企業経営にとって最重要指標であると私は考えます。

ROAとはReturnOnAssetsの略で、「総資産利益率」と訳します。

平たく言うと、「今持っている資産で、どのくらいの利益を生んでいるか」を数値化したもので、高ければ高いほど良好です。

式はROA=経常利益/総資産×100

図で書くとこのようになります↓

この場合のROAは青÷赤×100です。

数字が苦手という方もこれで見ると一目瞭然でわかるかと思います。

ところでこの図解ではROAは30%と出ています。これはかなり良好な数値ですが、これをさらに改善するにはどのような経営策を取れば良いのでしょうか?

シンプルに考えると、利益を上げるか、資産を減らすかのどちらかです。

みなさまは利益と資産、改善するとしたらどちらが簡単でしょうか?

実務では皆様が簡単だと思う方をやっていただくようお伝えしています。

波に乗っている成長企業ですと、利益が出るのが目に見えているから利益と答えるかもしれません。

逆に成長はし尽くした成熟期であると感じていれば、資産に手を加えることの方が取り掛かりやすいでしょう。

長期的に見れば、波に乗っている企業も波が止まった時には所有資産の改善を図ることもあるでしょう。

状況によって改善しやすいところから改善して対応していきます。

ちなみにですがROAの一般的な数値を申し上げますと、中小企業は10%を達成していればOKです!8%が合格ラインと言われています。

これは業種によってバラツキがあります。

この図を過去5年分、頭の中に入れておくことが大切です。自社の平均値を持っておくことで、今の現在地が平均値より良い状況か悪い状況かどうかが見えてきます。

そうすることでぼんやりとしている不安が、大した不安ではないとか、逆に安心している場合ではないということがわかってきたりします。

私はコンサルタントの現場でROA経営を進めるときは、だいたい6ヶ月から1年かけて財務状況の改善を図り、その後資金を貯められる構造を作ります。

さらに資金が高まると次の一手が打てるようになります。

例えば、設備投資を行う、社員の給与アップし社の定着率を向上させる、上場要件を満たす、M&Aで企業を購入し拡大を図る、さらには事業承継で会社を綺麗な形で息子に譲る、などです。

これらの手を打ち数年経つと、また貸借対照表が歪んでくることがあるので修正を図ります。

ROA経営はこのように財務指標ROAを主軸に進めていきます。今ある資産の改善を図り利益を生み出すとキャッシュが貯まるので、またそれを次の投資に向けていく経営手法であります。

まずは5ヶ年分のROAを計算し、上記のような図を並べてみてください。そこからがスタートです!

財務分析の必要性

 中小企業経営者の皆さま、こんにちは。

 今回は、財務分析が必要なのか、否かについて考えてみましょう。

 中小企業を経営していて、財務分析というものを扱った経験はありますでしょうか?

例えば財務分析の一番王道な指標に「自己資本比率」というものがあります。

 ある決算報告の際、税理士の先生からの指導で「御社の自己資本比率は30%です。これは良好な数値ですね!」と言われたとします。

 しかし、翌期は赤字を出してしまいました。繰越利益が少なくなり、「当期の自己資本比率は8%です。緊急に対策が必要です」などと言われたとします。

 これは大変だと、売上向上プラン、経費削減プランを練って、社員の反対もある中で苦労をして実行し、なんとか利益を出すことができました。

そこで決算報告の際、「自己資本比率は15%になりました。前期よりは改善しましたが業界平均には及ばないのでさらなる改革が必要です」

「・・・・」

(社員辞めちゃったよ。これ以上どうしろって言うんだよ)

数字を扱うのではなく、数字に経営を振り回されてしまう。このような例は、中小企業にはよくあるケースです。

こういった経験をされた経営者さまは、【財務分析なんて意味がない。むしろ逆効果だ!】と、思うでしょう。

これは財務指標ありきでコンサルティングを行った税理士様にも、そして経営者様にも本質を理解できていないことが原因と考えられます。

財務分析の本質とは一体何なのでしょうか?

財務分析とは

 ・ 過去の数値

 ・ 相対的な流れを知るためのもの

 ・ 参考程度のもの

であります。

 しかし、税理士の先生に指摘されると、それが企業としても至上命題で、どうしても改善を要求されているような気持ちになります。

財務分析が参考程度のものに過ぎないのに、絶対的なものだと勘違いしてしまうからです。

では、財務分析は企業にとって全く不要なものなのでしょうか。

答えは、NOです。

どうせ過去のものでしょ

どうせ相対的なものでしょ

どうせ参考程度のものでしょ

と、言われれば「はい、その通りです」と言うでしょう。

しかし、それでも必要なのです。

その理由は、財務分析の指標を頭に置いておくか、置かないかの違いで経営判断が180度変わってくるからです。

 例えば、銀行から借入をしようとします。

お金を借りるのには利益を出していないと銀行は貸してくれません。なぜならお金を返済するのは、経費でなく利益だからです。

お金を借りる事業計画書を作ることになりますが、利益が増える計画を作らねばなりません。100万円の利益では返済できないため、200万円の利益が必要だという判断になったとします。

では、利益を出すためにはどうすればよいでしょうか?

ここで財務分析が頭に入っている人といない人とでは計画書の実現性に雲泥の差が生まれます。

財務分析が頭に入っていない人は、こう考えます。

利益が2倍だから売上も2倍か。と言う事は、売上を作る社員も2倍。社員が2倍ということは事務所も2倍。お金も2倍必要。でもお金を貯めるには利益も2倍。あら、利益を2倍にするのが目標だったよな!!

全て2倍になんてできるわけがない!!

これはちょっと大げさですが、多かれ少なかれこのループにハマってしまうケースは稀ではありません。

そして銀行からツッコミが入ります。

売上が2倍になる根拠を明確に示していただけませんか?

そのエビデンス(証拠資料)はございますか?

と。

彼らは稟議書を書かないといけないので根拠やその証拠資料がないと承認を得ることができません。

では、財務分析が頭に入っている経営者はどう考えるか、というと、

利益を2倍にするには売上、原価率、労働分配率の各指標5%の法則をまず軸に検討してみよう!と、考えます。

売上はまず5%上げなくてはいけないな。それなら今期は新規の取引がもう間もなく決定するから見込みはありそうだ。下落要因はないだろうか。営業部隊に確認してみよう。

原価率は5%下げなくてはいけない。仕入先は昔に比べればたくさん量を仕入れているからそろそろ安くしてもらえる会社がありそうだ。仕入管理部門に確認してみよう。

そして最後は人件費。最近システムを導入した割にはいまだにダラダラ残業しているな。付き合い残業もまだありそうだ。人事部に確認してみよう。それを削れば人件費5%は可能かもしれない。

この3点で5%改善するのが難しければ次善策は何だろうか。考えられるのは、広告、家賃、接待交際費などは手をつけやすいかもしれない。

経理に確認してみよう。

いかがでしょうか。

売上2倍という天文学的数字を掲げ不可能とわかっていても突っ込んでいくタイプと、各々の数値を細分化して微調整を図るタイプ。

当然後者の方が実現可能性は高そうだと思われるでしょう。

これが財務分析が頭に入っている経営者の頭脳構成です。資金調達という経営の一場面だけを見てみてもこれだけの差がつくのです。

 さて、改めて冒頭の財務分析が必要か否かを考えてみると、自己資本比率の例にしても、資金調達の例にしても、財務分析が頭に入っていれば税理士の先生や銀行からの指摘に右往左往せず、建設的な考え方をすることができます。

 ここが財務分析の一番重要な部分ではないかと私は考えています。

 そしてここでは割愛しますが、全体を網羅的に検討することができるのがROAという指標なのです。ROA経営はこれらの数値を図解で理解するため数字にアレルギーを感じている経営者様もすぐに理解できます。次回はROA経営について説明をはじめていきたいと思います。

 ご閲覧ありがとうございました。

はじめまして


 中小企業経営者の皆さん、こんにちは。財務コンサルタントの北村悠と申します。

 私はROAという財務の指標を元に中小企業の財務力を高める仕事をしております。

有事にも耐えうる財務に強い中小企業を1社でも多く作ること

このビジョンを掲げて日々、中小企業のコンサルティングを行ったり、情報発信を行っております。

 ところで皆さんは、ROAという言葉を聞いた事はありますか?これは財務の指標の一つで英語で「Return On Aseets」を略したものです。日本語では「総資産利益率」といいます。

「なんだか難しそうだな」と感じる方も、いらっしゃるかもしれません。

しかし、難しい事はありません。一言で言ってしまえば

いま持っている経営資源で、どれだけ有効に稼ぐことができているか?

というお話をあらゆる角度から見ているだけのことです。

詳細は後ほどご説明しますが、ROAを追究するだけで財務全般を制することが可能になります。例えば、以下のようなボヤけた課題が明確になってきます。

  ・ いま所有している資産がどれだけ非効率なものがあるか知りたい

  ・ いま設備投資をするか否かの判断が素早くできようになりたい

  ・ 売上2倍!などの苦しい目標を立てずに、利益を2倍にするにはどうしたら良いか

  ・ 資金繰りに悩まない無借金経営はどうやって達成することができるのか

これらの課題はROAという一つの指標に凝縮されています。

 ところで、私が「ROA経営とは何か?」という説明をする前に、今回は、はじめましての自己紹介をさせていただきます。

 私は、平成18年に法政大学を卒業後、東京都内に本店のある地方銀行に入行しました。

 銀行には平成27年までの9年間勤務し、その後はより深く財務を理解するために無資格で税理士法人に転職しました。銀行員時代は、法人・個人の営業を行い、税理士法人では巡回監査というものを行っていました。

 私の経歴の中で特に銀行員の営業マン時代の9年間は、本当に色々な出来事が起こりました。

 中でも印象的なのが、平成20年10月に起こったリーマン・ショック。そして平成23年3月に発生した東日本大震災です。この2つの出来事は、私が経営の安定性を図る事の重大さを感じさせる礎を築いた出来事でした。

 リーマン・ショックでは毎日のように融資先破産の知らせが各支店から届き、銀行の貸出が何十億と吹っ飛んでいく様を目の当たりにしました。

 東日本大震災の時は、私は茨城県にある水戸支店に所属していました。私はここで被災しました。その日の夜は、電気の一切ついていない月明かりだけを頼りにする街を、生まれて初めて見ました。あのおどろおどろしさは今でも目に焼きついています。

 震災直後、いろんなビジネス案件がストップしました。水戸にある中小企業が生きるか死ぬかというギリギリの中で、私は会社の資金を切らさぬよう、経営者様と共に戦っていました。幸い私の担当させていただいているお客様で震災を理由に倒産する企業はありませんでした。

 しかし私は、このような2つの有事の出来事を経験して、企業はあらゆる財務的な備えをしておく事が必要であると痛感致しました。

 その後、税理士法人に入所し、細かな仕訳をたくさん打ったり、毎月企業に訪問して月次監査をしていくことになりました。

ここでは銀行員の時に見えなかった中小企業経営者の皆様の動向をチェックすることができました。

領収書を見れば1日の動きはほぼ全て見えてきます。

「最近は利益が出ているから接待交際費や不要な買い物が急増しているな」とか、「利益が落ちてるからタクシー利用回数も減っているな」といったところまで見えてきます。(接待交際費や買い物をすること自体を否定しているわけではありませんが、それが生きた投資になっているかどうかは、経営判断上とても大切になってきます)

 これらの2つの職歴が私の現在の財産です。

 これからの時代は、景気の良し悪しに加え、昔は存在しなかった天災リスク、個人情報リスク管理、そして働き方改革による労働管理リスクまでも許容できるような企業体制を構築しなければなりません。管理すべきリスク項目が本当に増えているように思います。

このような時代こそ、企業が末長く社会貢献していけるための手法の一つがROA経営であると私は確信しています。財務に強い中小企業を1社でも多く増やすことでその企業に支えられている人たちが増えることを願っています。

北村 悠